コロナ禍が終われば、世界は元に戻るのだろうか。私は、新しい世界へ変化すると考える。
その中で、もちろん変わらないこともある。良い意味でも悪い意味でも。
どの時代においても物事は進化し、大きな出来事があるたびに、それは飛躍的に加速する。この進化は、大きな出来事から始まるのではなく、それ以前からささやかれ、一部では進行していたものが、一気に加速するという経緯を辿る。
※日本経済だけを切り取っても、以下のような進化が生まれている
・〜99年:高度成長期からバブル崩壊後→年功序列から成果主義、選択と集中、環境負荷への対応へ
・〜05年:ITバブルとその崩壊→IT無くして業務なしの社会環境へ
・〜11年:いざなみ景気とリーマンショック→様子見の消極投資と生産体制の見直しによる本質的なグローバル化へ
・〜19年:東日本大震災からのアベノミクス景気→思いや価値軸思考への移行、SDGs対応、本質的なイノベーション推進へ
・20年〜:コロナショックからアフターコロナ→(私の予測)①2局化する働き方と、②本質的な終身雇用の崩壊へ
以下、本コラムでは上記①について考えてみたい(※②はまたいずれ、考えがまとまったら投稿します)。

今回のコロナショックで加速した下記【それぞれの取り組み】、アフターコロナでは「何が」残り(継続され)、「何が」元に戻るだろうか。
【それぞれの取り組み】
●社内:テレワークによる在宅・遠隔(隔離)勤務
●社外:打ち合わせ・受講(学習・情報収集)・情報交換はWebを介して
●プライベート:家で過ごす楽しみ方の開発、飲み会のWeb化
私は、「何が(事)」ではなく、「誰が(人)」これを礎とし進化するか、逆に進化せず元に戻るか。ここで、変われる人(組織・個人)と、変われない人で大きな『差』が発生すると考える。
この変わる・変わらないの本質的な要素は「人に会うか、会わないか」=『人と会うことを何のために行うか』である。その上で、今回各個人が上記【それぞれの取り組み】を行って感じたこと(捉え方)は次の3つに大別されるだろう。
●内容:テレワークなどWebや単独でできることはこんなに多かったのか、支障なかったのか(逆に、支障があったのか)
●環境:家にずっといること(独立環境)は、慣れてくるとこんなに問題ないものか(逆に、こんなにも苦痛だったのか)
●関係:人と人が対面で接することがこんなにも重要だったのか(逆に、人と合わなくても大丈夫なものか)
私なりには、次のような結論に至っている。
①関わる人間との関係性ができていれば、全ての取り組みはWebを介したものでも良い(問題はない)
・対面で行う場合と成果は何ら変わらないし、使える時間が増える分、成果は高まるとも考えられる
・人と会うことは、関係性を構築するためだけに行うことでも差し支えない
②関係性がなければ、Webを介してのディスカッションで、まだ世の中にない・正解がわからない、新たな目標、創造的な発想は難しい
既存の業務、既存の目標を達成するためのチーム形成・役割分担<分解と指示>、実行・成果確認<管理>などのGoalが定まっているPDCAを回す業務は関係性がなくても原則問題ではない(やる気の有無はここでは検討の対象としない。フィードバック・改善が含まれる場合には、関係性は必要)
③関係性はWebを介したものだけでも不可能ではない場合は多い(会っても関係構築できない人はできない)が、会えば関係構築できる両者であっても時間がかかる場合があるし、必要なレベルの関係構築に至らない可能性(割合)は高くなる
・・・顔を会わせたいな〜と言う感情は必ず起きる=『人と会うことは関係構築のため』と結論づけて良い
人はその捉え方一つで、進化の機会を享受できる(する)、できない(しない)か=『差』*が決まる。
テレワークだけに限ってみれば、例えば享受できるものとして、次のようなメリットが挙げられる。
●圧倒的な時間と移動費の削減、ワークスペースの削減などのコストメリット
●出勤を伴わないために、通勤困難者(育児・介護・障がいなど)の活用が可能になるリソースメリット
●遠隔でも就業が可能になることによる、ワークライフバランスの充実メリット
など、自らや家族を大切にし、相手の時間や価値観を大切にできる人が享受できるメリットであると考える。これらは結果的に、支払える報酬の額は上がり、優秀な社員のモチベーションを高め、所属への(組織かプロジェクトかは別にして)忠誠度は増し、外部からも魅力度が増すために参加の申し出が高まり、建設的な競争が生まれ、その枠の中にいる人はより強化されていく(※自己強化ループの形成につながる)。
変わるのか、変わらないのかは、自分次第
※上記は、全て当社が実践している仕組みから得た実体験と、それらを裏付けるための各種情報収集・思考によって結論づけたものです

この中でも普遍的なことは、自分自身の能力を高め、「どんな環境に置かれても成果を出し続けられる人」になること。言い換えると「どこでも働ける力」、雇われるのか、自分(独立)でやるのかは別にして、『一緒に働こう』と周囲から声をかけてもらえる(信頼される)人材になること。
そして、『Change or Die』(変わるか、死ぬか)これは私が新卒で入社したマツダ株式会社で聞いた(当時フォード傘下であったマツダのフォード出身CFOからの)言葉は今でも鮮明に覚えており、変わらない私の指針の一つ。
特に入社以来在宅を命じられている新入社員の皆さん、皆さんが置かれた環境は、社会・会社が大きく変化をするタイミングでの社会進出です。これをチャンスと捉えるか、禍(災難)としてやり過ごすか。事実をどう捉え、それに基づき何を思考し、行動するかで、ビジネス人生の大半が決まると言っても過言ではありません。
最後まで読んでいただいたあなたは、間違いなくチャンスと捉えられる人です。ぜひ、その捉え方に基づく『考動』を!世の中がどうあれ、あなたのビジネス人生には十分に明るい未来の光がさしています。
アフターコロナにおいても、当社は一貫して上記を達成できる人材の育成、及びその人たちが働く環境=『働くを楽しむための「人」と「環境」づくり』に邁進します。